一遺伝子一酵素説

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一遺伝子一酵素説

ビードルテータムが1945年に提唱した「1つの遺伝子が1つの酵素の合成を支配する」という説。アカパンカビの突然変異株を用いて実験を行った。突然変異したアカパンカビは次のような性質を示した。

  • 野生株:最小限の栄養分だけの環境(最少培地)でも生きることができる。
  • アルギニン要求株Ⅰ型:最初培地では生存できない。アルギニン、オルニチン、シトルリンのどれかを与えると生育する。
  • アルギニン要求株Ⅱ型:最少培地では生存できない。シトルリン、アルギニンのいずれかを与えると生育できる。
  • アルギニン要求株Ⅲ型:最少培地では生存できない。アルギニンを与えると生育できる。
  • 最小限の栄養(前駆物質)からアルギニンを合成する酵素の遺伝子をGeneA
  • オルニチンからシトルリンを合成する酵素の遺伝子のGeneB
  • シトルリンからアルギニンを合成する酵素の遺伝子をGeneC

とすると次のように考えることができる。

  • 野生株:GeneA、GeneB、GeneCを持っている。
  • アルギニン要求株Ⅰ型:GeneB、GeneCは持っている。
  • アルギニン要求株Ⅱ型:GeneCは持っている(GeneA、GeneBについては不明)。
  • アルギニン要求株Ⅱ型:GeneCを持っていない(GeneA、GeneBについては不明)。

また、この結果からアカパンカビの代謝経路が明らかになった。

  • 前駆物質→オルニチン→シトルリン→アルギニン

代謝と遺伝子の働き

アカパンカビの突然変異のように、遺伝子の以上によって酵素が欠損し、代謝に異常をきたす場合がある。

フェニルケトン尿症

タンパク質を消化すると、フェニルアラニンチロシンに分解される。フェニルアラニンは酵素によってチロシンへと変化するが、この酵素が欠損すると、フェニルケトンとして体内に蓄積される。フェニルケトンが尿中に排出されるのがフェニケトン尿症である。早期に適切な治療を開始しないと精神遅滞を引き起こす。

アルカプトン尿症

タンパク質消化によって生じたチロシンはアルカプトンへと変化し、水と二酸化炭素に分解される。アルカプトンを分解する酵素が欠損すると、アルカプトンが蓄積し、尿中に排出される。関節炎などになり、寝たきりになる場合もある。

 【閲覧注意】アルカプトン尿症症状の画像

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