ドードーの腸を通過することで発芽する種
モーリシャス島には、アカテツ科のタンバロコックという木があります。その島のタンバロコックの樹齢を調べてみると、樹齢300年以上のものしかないことがわかりました。つまり、新しい個体が300年前から育っていないのです。
300年前というと、同じ島に生息していたドードーが絶滅した時期でもあります。ドードーは人が食料として乱獲したことや、人が持ち込んだ動物に生息地を追われ、1680年には絶滅が確認されています。
タンバロコックは非常に硬い殻に入った実をつけるのですが、種は自力では発芽することができません。ドードーが食べて腸を通ることによって、発芽することができるのだと考えられています。その証拠として、ガチョウやシチメンチョウに実を食べさせたところ、発芽に成功したとの実験もあります。
なぜ食べられないと発芽しないの?
ドードーがお腹に入れて遠くまで運んでくれることにより、分布を広げられるメリットがあります。タンバロコックとしては、親株付近で発芽してしまうよりも、確実に食べられてから発芽する方がメリットが高いのでしょう。
タンバロコックは絶滅はしないが人が管理しなければならない
ドードーが絶滅した今では、タンバロコックが自然に発芽することは極めて難しいでしょう。人が人工的に発芽させ、タンバロコックが絶滅しないよう管理し続ける必要があります。