植物内では光合成と全く真逆の反応として光呼吸という現象が知られています。光呼吸はATPとNADPHを使って有機物を二酸化炭素に戻すような反応です。一見、無駄にも思える現象の意味は今でも明確にはわかっていませんがいくつかの説が存在します。
①昔はCO2濃度が高かった説
光呼吸は特にCO2濃度が低い時に生じます。光合成生物誕生初期はCO2濃度が高かったため、光呼吸が生じるようなことは殆ど生じなかっただろうと推測されています。だんだんとCO2濃度が低下するに従い、光呼吸のような無駄な反応が予期せずに生じてしまったのではないかと考えられています。
⓶過剰なATPやNADPHを消費して守る説
光呼吸は特にCO2濃度が低い時に生じ、その時はカルビンベンソン回路が進まず、ATPやNADPHが過剰に蓄積されます。ATPやNADPHは他の物質と反応し構造を破壊しかねないため、敢えて消費して身を守っているとの説もあります。
⓶の方が説得力はありそう…!