フォークトの研究
フォークトはイモリの胚を用いて局所生体染色を行った。これは無害な色素を用いて胚発生初期のものを染色し、各部分が将来どのような組織に分化するかを調べた実験である。これにより、どこが何になるという発生運命を明らかにし、原基分布図を作成した。
イモリの胚の原基分布図(予定運命図)
シュペーマンの実験
予定表皮領域と予定神経領域の交換移植実験
シュペーマンはイモリの胚を用いて移植実験を行った。まず、原腸胚初期の予定表皮領域と予定神経板領域を交換すると、それぞれ発生運命は変えられ、移植先の組織に分化した。
次に、神経胚初期の胚でも同様の実験を行ったところ、予定表皮領域は移植しても表皮に、予定神経板領域は移植しても脳や眼に分化した。このことから、各部分の予定運命は徐々に決定され、神経胚には変更できなくなることを発見した。
原口背唇移植実験
また、シュペーマンは原腸胚初期の原口背唇(中胚葉)を他の胚に移植すると、そこから新たな神経管などを持つ2次胚が形成されることを発見した。このことから、原口背唇が様々な組織を誘導する形成体(オーガナイザー)であることが判明した。
原口背唇の移植実験