ヘモグロビンとは
赤血球はヘモグロビンを含み、ヘモグロビンのヘムにある鉄イオンが酸素と結びつき、酸素が少ない場所では酸素を放出する。また、酸素が多く、二酸化炭素が少ない場所では酸素と結びつく働きを持っている。
Hb(ヘモグロビン)+O2 → HbO2(酸素ヘモグロビン)
酸素解離曲線
ヘモグロビンの酸素との結合率と、酸素分圧との関係は次のような表で表される。酸素分圧が上がるにつれて、ヘモグロビンと酸素の結合率が上昇する。
酸素分圧とは
<>普通、数種の気体が含まれている容器の、ある気体のみに注目した気圧を分圧と呼ぶ。下画像では、右が気体全体の圧力(全圧)で、左の2つがそれぞれの気体の圧力(分圧)を示している。
血液中の酸素分圧は、主に医学で使われる概念である。ある酸素を含む気体に血液を触れさせ、平衡状態(酸素が液体へ溶ける量と酸素が液体から出て行く量が同じ)となった時、その気体の酸素分圧を血液中の酸素分圧と考える。
例えば、血液は肺胞(酸素分圧100mmHg程度)の毛細血管を通過する間に、ほぼ平衡に達する。この血管の酸素分圧は約100mmHgと言える。
平衡とは
液体中に溶ける分子と、出て行く分子の数が同じになった状態を指す。見かけ上は変化しているように見えない。
酸素解離曲線と二酸化炭素分圧
ヘモグロビンは二酸化炭素分圧が高い場所では、酸素を放出する性質を持つ。そのため、二酸化炭素分圧が高い場所では、酸素と結びつきにくく、酸素飽和度も低くなる。
ミオグロビンとヘモグロビンの酸素解離曲線
ミオグロビンはヘモグロビンに比べると酸素と非常に結合しやすく、酸素分圧が低くても酸素ヘモグロビンの割合が高い。これは逆に言うと、酸素を放出しにくく、組織でのガス交換が効率的ではないと言える。しかし、低酸素環境であっても酸素を蓄えることができる利点がある。
胎児の酸素解離曲線
胎児は母体の血液から酸素を吸収するため、胎児の酸素ヘモグロビンの割合は母体のそれよりも常に高い状態にある。胎盤では母体と胎児の二酸化炭素分圧は等しく、酸素分圧も共にに等しい。そのため、母体のヘモグロビンの酸素が乖離し、胎児のヘモグロビンが酸素を吸収する。