化石に見られる証拠
示準化石と示相化石や、連続的な変化を示す化石、中間形化石などが進化の証拠となっている。
示準化石と示相化石
示準化石とは、地層が形成された時代を決める際に基準となる化石である。それぞれの時代にしか存在しなかった生物が示準化石となる。三葉虫は古生代に出現した生物であり、アンモナイトは中生代の生物である。
三葉虫http://www.kaseki7.com/zukan/kobetu/sanyouchu.html
アンモナイトhttp://www.kiseki-jp.com/japanese/museum/collection/ammonite1.html
示相化石とは、その時代の環境を示す化石である。サンゴの化石が発掘されれば温暖な浅いであったことがわかる。
連続的な変化を示す化石
ウマの化石を見てみると、足の蹄が徐々に形成されていったのがわかる。馬は4本指のうち中指が発達して蹄となった。
中間形化石
爬虫類と鳥の中間として始祖鳥が発見された。また、メドローサはシダ植物と裸子植物の中間であり、胞子ではなく種子を形成する。
始祖鳥http://www.nationalgeographic.co.jp/science/science_wallpaper.php?WALLPAPER&GALLERY&VignVCMId=66630b0a703f5110VgnVCM100000ee02a8c0RCRD
http://planet-terre.ens-lyon.fr/objets/Images/Img286/286-pteridospermales-bennettitales-Cerin-04.jpg/image_view_fullscreen
現存する生物に見られる証拠
生きている化石、相同器官と相似器官、痕跡器官、発生の過程、地理的分布にみられる証拠、分子構造に見られる証拠が進化の証拠となっている。
生きている化石
大昔の生きものの特徴を持つ生物が生存している。シーラカンス、カブトガニ、イチョウ、メタセコイアなどが挙げられる。
相同器官と相似器官
形は異なるが起源が同じである器官を相同器官と呼ぶ。ヒトの手とコウモリの翼や、浮袋と両生類の肺、植物の葉とサボテンのトゲなどが例として挙げられる。
相似器官は起源は異なるが、形や機能が同じである器官を指す。昆虫の翅と鳥の翼、えんどうの巻きひげとキュウリの巻きひげなどが挙げられる。
痕跡器官
退化し殆ど機能は失っているが、痕跡として残っている器官が存在する。尾てい骨や耳動筋、クジラの後ろ足の骨、ヘビの足の骨などが挙げられる。
発生の過程に見られる証拠
発生の初期ではヒトも魚も類似している。このことから「個体発生は系統発生を繰り返す」という発生反復説をヘッケルが唱えた。
鳥類は発生の初期ではアンモニアを排出するが、しだいに尿素、尿酸へと変化していく。
地理的分布に見られる証拠
東アジアと北アメリカに共通の植物が存在していることから、共通の祖先があったのではないかと推測できる。
分子構造に見られる証拠
分子構造やDNAは近縁種であればあるほど類似している。
ヒトとチンパンジーのゲノムを比較すると98%以上が相同で、ほとんど差がない。
では残りの2%足らずの情報の中に、ヒトを特徴づける特別な遺伝子があり、その有無がヒトをチンパンジーとは異なる独自の生物にしているのだろうか。
私の言いたいことはこうである。仮に遺伝子操作によって、チンパンジーのA’遺伝子をヒトのA遺伝子にすげかえても、(そしてこの操作をくまなく繰り返して、DNA文字列上の2%の差をすべて書き換えたとしても)チンパンジーはヒトにはならない。
ではいったい何がヒトをヒトたらしめるのだろうか。それはおそらく遺伝子のスイッチがオン・オフされるタイミングの差ではないか。