アルコール発酵
酵母菌などが行う発酵をアルコール発酵と呼ぶ。グルコース1分子からエタノール×2と二酸化炭素×2が放出される。その過程でATP×2が合成される。呼吸とは異なり酸素を使用しない。
解糖系
発酵には共通して解糖系と呼ばれる反応経路が存在する(下図左)。解糖系はすべての生物が持つ代謝経路であり、細胞質基質で行われる。解糖系はグルコース1つからピルビン酸2個が生じる反応である。
- 物質の変化:グルコース→フルクトースビスリン酸→グリセルアルデヒドリン酸×2→ピルビン酸×2
- ATP:2個ATPが消費され、4個ATPが合成される。つまり2個ATPが増える。
- 脱水素酵素:グリセルアルデヒドリン酸からピルビン酸への変化は、脱水素酵素によって水素×4と電子×4が引き抜かれることによって起こる。補酵素はNAD+であり、NAD+×2が水素と電子を受け取る。受け取りきれなかった2H+は余る。
解糖系で必ず覚えて置かなければならないことは、1個のグルコースから、2個のATPができることである。この量的関係が非常に重要となる。
グルコース + 2NAD+ → 2ピルビン酸 + 2NADH + H+ + 2ATP
さらに詳しく化学的に知りたい場合は、下図を参考にして欲しい。下図ではGlyceraldehyde3-phospate(グリセルアルデヒドリン酸)からは2個だが、図は便宜上1個で描かれている。
ピルビン酸→エタノール
ピルビン酸はその後、脱炭酸酵素によってCO2が引きぬかれアセトアルデヒトになり、NADHによって還元され(水素と電子を渡され)、エタノールとなる。
乳酸発酵
乳酸菌が行う反応である。解糖系はアルコール発酵と同様である。グルコースからピルビン酸になった後、NADHに還元されて乳酸となる。グルコース1分子から乳酸×2が合成される。呼吸とは異なり酸素を使用しない。
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