血液型
血液型にはABO型とRh型がある。
ABO型
ABO型は赤血球表面に存在する糖鎖の種類によって決定されている。日本の血液型の割合は次の通りである。
A型:40% > O型:30% > B型:20% > AB型 :10%
Rh型
赤血球表面に存在する抗原の種類によって決定されている(Rh抗原は40種類以上確認されている)。Rh抗原を持つ人をRh+、持たない人をRh-と表現する。ABO型が一致していても、Rh-型の人がRh+型の人の血液を輸血されるとショック症状が出ることがある。Rh-もRh+も機能的な違いはないが、Rh-型の人口が圧倒的に少ないため(200人に1人)、輸血用血液を確保する困難がある。
血液の輸血
ここではABO型のみに注目して輸血について述べる。赤血球の細胞膜には抗原となる凝集原が存在している。また、それぞれの血液型には凝集原の抗体となる凝集素が含まれている。それぞれの組み合わせは下の通りである。
血液型 | 遺伝子型 | 凝集原 | 凝集素 |
O | OO | なし | α、β |
A | AA、AO | A | β |
B | BB、BO | B | α |
AB | AB | A、B | なし |
凝集反応
凝集素αと凝集原A,凝集素βと凝集原Bが特異的に結合し、周囲の血球同士を連結させる凝集反応が起こる。下の画像ではAnti-A(凝集素α)に血液を垂らすと凝集するので、この人はA型であることがわかる。画像のAnti-DはRh型血液型のことである。
なぜO型の血液はどの血液型にも輸血可能なのか?
O型には凝集素α、βどちらも含まれているが、O型の血液をA型に輸血しても問題ない。これは、輸血する血液に含まれている抗体(凝集素α)は僅かであり、抗原抗体反応は起こって結合はするが、凝集までには至らないためである。
同様の理由で、O型の血液は、B型、AB型にも輸血可能である。しかし、全血液を取り替える(多量の血液を輸血する)という場合には、血液型が一致しなければ凝集反応が起こってしまう。
一方、AB型のヒトは凝集素を持っていないため、どの血液型の血液からも輸血されることが可能である。の+は凝集する、-は凝集を起こさない。
受け入れO | 受け入れA | 受け入れB | 受け入れAB | |
供給O | - | - | - | - |
供給A | + | - | + | - |
供給B | + | + | - | - |
供給AB | + | + | + | - |