べん毛・繊毛の運動
べん毛や繊毛は微小管とダイニンによって構成され。波打つような運動が可能となっている。真核細胞と原核生物(細菌)などのべん毛の運動の仕組みは異なるので注意。原核生物はべん毛モーターと呼ばれるモーターがべん毛の基部に備わっている。以下は真核細胞のべん毛運動の説明である。
微小管の構造
微小管はチューブリンと呼ばれる球状のタンパク質がいくつも結合し、管状の構造をとっている。直径は25nm程度である。
べん毛の構造
べん毛は微小管とダイニンが規則正しく並んだ構造をしている。中央の2本の微小管を中心微小管と呼び、その周囲に2本の微小管が対になった二連微小管が9つ並んでいる。 ダイニンは二連微小管同士を繋いでいる。また、中心には2つの微小管があり、このような構造を9+2構造と呼ぶ。9+2構造は真核生物が持つ鞭毛に広く共通した構造である。
屈曲運動の仕組み
ダイニンがATP分解によって得られたエネルギーを用いて、隣接する二連微小管を掴んで押し上げる。そして、離し、また掴み、押し上げる、というような運動を繰り返し行う。
細菌のべん毛運動-べん毛モーター-
原核生物の細菌では、べん毛の基部が回転し、スクリューのようにべん毛が運動することが知られている。高校生物の範囲ではないが、あまりにもメカニックなその構造をぜひ一度は見てみて欲しい。
[…] 細胞内のタンパク質-微小管による運動- […]