細胞の化学組成
細胞は主に、水、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸、無機質から構成されている。
細胞内の物質 | 水 | 細胞の大部分を占める。 |
タンパク質 | 細胞骨格や酵素など。 | |
脂質 | 膜構造など。 | |
炭水化物 | 細胞内のエネルギー(グルコース)や細胞壁など。 | |
核酸 | DNAやRNAなど。 | |
無機物質 | Na+、リン酸カルシウム、鉄など(それぞれに働きがある)。 |
水
比熱が大きく温度が変化しにくい。様々な物質を溶かす性質があり、成人で体の60%、赤ちゃんで体の75~80%の割合を占める。この物質のおかけで生命が維持されているようなもの。
タンパク質
アミノ酸がペプチド結合によってたくさんつながったもの。酵素や細胞骨格などを形成する。
脂質
脂肪はエネルギーとなり、リン脂質は細胞膜となり、ステロイドはホルモンとなる。脂質とは単純に説明すると、アルコールと脂肪酸が結合したもの(エステルと呼ぶ)である。脂肪酸とは炭素と水素の骨格にカルボキシ基(-COOH)が結合したものを指す。脂肪の中には、糖やリン酸を含むものもあれば、加水分解によって生成されたものも脂質と呼ぶ。
中性脂肪
グリセリンと脂肪酸が結合した物質である。
リン脂質
炭素の骨格にリン酸が結合したもの。脂肪酸とリン酸が結合し、さらにリン酸にアルコールがエステル結合した構造をもつ。
ステロイド
複合脂質(色々混ざった脂質)から加水分解によって生成される。
photo by wikipedia
炭水化物
CとHとOからできている物質。エネルギー源。セルロースは細胞壁になる。単糖(グルコース、リボース)、二糖(スクロース、ラクトース)、多糖(セルロース、グリコーゲン、デンプン)などがある。
核酸
遺伝物質であるDNA、RNAを構成する。糖とリン酸と塩基が結合したヌクレオチドが基本単位。
無機物
Na+(神経細胞で重要な働きをする)、リン酸カルシウム(骨の材料)、鉄(ヘモグロビンに埋め込まれている)などがある。
細胞を構成する物質の割合の違い
- 植物細胞は細胞壁があるため、炭水化物の割合が大きい。
- 原核細胞では、細胞1つあたりに比べて核酸の割合が大きい(細胞が小さいため)。
以上のことを覚えておけば、グラフで見た時に判別することができる。
[…] 生体物質 […]