生物の進化

生痕化石とは?

生痕化石とは

地質時代の生物が生きていた時の、生活の痕跡が残った化石を生痕化石と呼ぶ。生痕化石には次のような種類がある。

  1. 足跡
  2. はい跡
  3. 巣穴
  4. 食い跡
  5. 傷跡・病気:正常に生育できずに変形した骨格など
  6. 生理・生殖行動:琥珀中に残された昆虫化石など

 http://paleo-studies.tumblr.com/

生痕化石からわかること

生痕化石から様々な生きていた当時の状況を推測することができる。例えば、歩幅や足跡からは、恐竜がどのように歩行していたかなど、歩き方を推測することができる。また、生物体の化石は必ずしもその生物種がその地域にいたことを確定できるものではないが(死体が流れ着いた可能性もある)、生痕化石は作られた場所から殆ど移動しないので、堆積環境を示す示相化石として役立つ。

http://www.yourdictionary.com/

地質時代 -概略-

地質時代とは

地球の誕生(約46億年前)から現在までの間で、記録が残っている以前の時代のことを地質時代と呼ぶ。つまり、直近数千年を除く時代である。大まかな時代区分として「」が、代の細かい区分として「」が用いられる。

地質時代

http://finding-geo.info/

先カンブリア時代 46億年~5.42億年前

古生代の初めのカンブリア時代以前を先カンブリア時代と呼ぶ。この時代においては化石があまり発見されていないが、末期にはエディアカラ生物群が出現した。

エディアカラ生物群

http://ediacaran.weebly.com/

古生代 5.42億年前~2.51億年前

カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀に区分される時代である。この時代において、多細胞生物が生まれ、様々な生物種が生まれ、現在の動物門が殆ど誕生した。特にカンブリア紀の爆発的な生物種多様化をカンブリア爆発と呼ぶ。

古生代

https://japaneseclass.jp/

中生代 2.51億年前~6550万年前

三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に区分される時代である。ほ乳類の出現、恐竜の出現、裸子植物の繁栄、恐竜の絶滅などの特徴がある。

中生代

http://p7griffins-gts.weebly.com/

三畳紀の名は、南ドイツで発見されたこの紀の地層において、赤色の砂岩、白色の石灰岩、茶色の砂岩と堆積条件の異なる3層が重畳していたことに由来する。
https://ja.wikipedia.org/

新生代 6550万年前-有史

古第三紀、新第三紀、第四紀に区分される。哺乳類と鳥類が繁栄したことで特徴づけられる。第四紀はヒトが出現し、繁栄した時代である。

新生代

http://s.webry.info/

名前の由来は簡単で、三番目の時代という意味です。しかし、この区分は近年廃止され、PaleogeneとNeogeneの二つの時代に分割されました。日本では今のところ、旧来の呼び方を元に、古第三紀と新第三紀と呼んでいます。
http://www.uraken.net/

地質時代-陸上動物の繁栄-

陸上動物の繁栄の流れ

脊椎動物で初めて陸上進出したのは両生類であった。両生類はその後、爬虫類、鳥類、哺乳類へと多様な進化を遂げた。一方、陸上進出した節足動物は虫へと進化していった。以下、詳細を述べる。

古生代 デボン紀

総鰭類(鰭に肉と骨を持つ魚類)から陸上生活をする両生類が出現した。最古の両生類としてイクチオステガの化石が見つかっている。両生類は皮膚が粘膜で覆われており、卵の発生も水中で行われるため、水辺のみの生息域であった。

イクテオステガ

https://www.geol.umd.edu/

また、両生類よりも早い時期に節足動物も陸上進出したと考えられている。

節足動物

http://www.brh.co.jp/

古生代 石炭紀

両生類から爬虫類が出現した。また、節足動物が大型化し、巨大なトンボ、ゴキブリなどの化石が見つかっている。

最初の爬虫類

http://dinopedia.wikia.com/

トンボ

http://vip.blomaga.jp/

中生代 三畳紀

ほ乳類の祖先が出現した。この時代のほ乳類は小型であり、多様化していなかった。

哺乳類

http://daizetumetu.com/

中生代 ジュラ紀

爬虫類が大繁栄した。恐竜、魚竜、翼竜などのように、あらゆる環境に爬虫類が適応していった。爬虫類の卵は殻で覆われており、卵殻内には胚を包む羊膜があり、羊水中で発生が進んでいく。

恐竜

http://daizetumetu.com/

始祖鳥が出現した。始祖鳥は鳥類と爬虫類の中間的な生き物と考えられている。

始祖鳥

http://core-box2011.shop-pro.jp/

中生代 白亜紀

ほ乳類の祖先が多様化し、有袋類、単孔類、有胎盤類の祖先が出現した。有袋類はカンガルーなど、単孔類はカモノハシ、有胎盤類はその他のほ乳類である。

哺乳類

http://www.seibutsushi.net/

中生代終わり

大形爬虫類(恐竜)は絶滅した。巨大隕石による環境の変化(低温環境)などが原因だったのではないかと推測されている。

新生代

寒冷化が進む環境において、体毛を持つほ乳類ががら空きになったニッチに進出し、大繁栄していった。

ほ乳類

http://fnorio.com/

地質時代-海での繁栄-

海中生物の繁栄の流れ

海では細胞が生まれ、単細胞生物、多細胞生物が誕生した。その後、甲殻類の外骨格のグループと、無顎類などの内骨格(脊椎動物)のグループへと大きく分かれていく。無顎類は最終的に魚類へと進化していった。以下、詳細を述べる。

魚類

http://ameblo.jp/oldworld/entry-10477892367.html

先カンブリア時代

単細胞生物から、ミトコンドリアなどを共生させた真核細胞が生まれ、多細胞生物へと発展し多様な形態へと進化していった。結果、エディアカラ生物群が出現した。

エディアカラ生物群

http://daizetumetu.com/

古生代 カンブリア紀

渦中の酸素濃度が高まり、呼吸を行う環境が整った。また、カルシウムイオンが海中に豊富になり、体の硬い組織を発達させるようになった。ロッキー山脈バージェス峠から見つかったこの時代の動物群をバージェス動物群と呼ぶ。アノマロカリス、三葉虫、ピカイアなどが生息していた。

バージェス動物群

http://web.stanford.edu/

脊椎動物である無顎類の仲間が出現した。顎や浮き袋がなく、魚類の祖先にあたる種でないかと考えられている。

無顎類

http://blogs.yahoo.co.jp/yosi938881

古生代 オルドビス紀

この時代になると、カンブリア紀の無脊椎動物は殆ど絶滅したが、浅い海ではウミユリ、オウムガイ、腕足類などの生物種が生息していた。

オウムガイ

http://www.aquarium.co.jp/

古生代 シルル紀

三葉虫の種類数が減少した。一部は補食者から身を守るために体を丸める構造を取るようになった。

シルル紀

http://www.aquarium.co.jp/

古生代 デボン紀

ウミユリがウミユリ石灰岩を形成した。また、シーラカンス・ユースノプテロンなどの総鰭類(硬骨魚類)、サメなどの軟骨魚類が出現した。

ウミユリ石灰岩

http://www.geocities.jp/

軟骨魚類

軟骨で全身の骨格を形成する魚類である。下画像はサメの骨格であるが、描かれている骨全てが軟骨である。

軟骨魚類

http://ameblo.jp/

総鰭類

足の起源となる太い骨がヒレにあるのが特徴的な魚類。浅瀬で這うようにヒレを用いていたのではないかと考えられている。

総鰭類

http://ammonya.blog.fc2.com/

古生代 石炭紀

大形有孔虫のフズリナ類が浅い海で繁栄した。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

http://www.s-yamaga.jp/

古生代 ペルム紀

三葉虫が絶滅した。アンモナイトは絶滅せず、中生代で繁栄した。

アンモナイト

https://ja.wikipedia.org/

地質時代-陸上植物の繁栄-

陸上植物の繁栄の流れ

陸上植物の歴史は古生代から始まり、コケ植物、シダ植物、裸子植物、被子植物へと進化している。以下、詳細を述べる。

植物

http://www.josai.jp/

古生代 シルル紀

最も古い陸上植物であるクックソニアが出現した。クックソニアは維管束がなく、コケ植物に似た通道組織を持っている。また、胞子で増えていく。

%e3%82%af%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%bd%e3%83%8b%e3%82%a2

http://www.geocities.co.jp/

%e3%82%af%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%bd%e3%83%8b%e3%82%a2

https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/

古生代 デボン紀

リニア、アグラオフィトンなど(古生マツバラン類)が出現した。これらの植物は葉や根が分化していないが、クチクラ層、気孔、維管束を持っている。これらの期間は、陸上の乾燥した環境で水分の蒸発を防ぎ、安定したガス交換・水分供給ができるようになった。アグラオフィトンにはシダ植物の特徴が見られている。

アグラオフィトン

アグラオフィトンhttps://www.abdn.ac.uk/

種子植物の出現

デボン紀後期には種子植物である裸子植物が出現した。種子植物は花粉管によって雄性配偶子が輸送されるため、水を必要としない(シダ・コケ植物などは精子を作り、泳いで受精する)。そのため、乾燥した状態でも生きていけるようになった。

種子形成のメリット

種子には胚乳が含まれている。胚は発生し、次の個体となる部分である。胚乳は発生のための栄養分である。また、種皮によって乾燥から守ることができ、より広範囲での分布が可能となった。

原始的な裸子植物

イチョウやソテツの仲間には、花粉管内で精子が作られ、シダ植物同様に卵細胞まで泳いでいくようなものも存在する。

古生代 石炭紀

シダ植物が巨大化し、高さ数十メートルの森林を形成していった。これらの植物が炭化し、大量の石炭がこの時代の地層から採掘できるため石炭紀と呼ばれている。

シダの森

http://daizetumetu.com/

中生代 ジュラ紀

裸子植物がシダ植物に代わって繁栄した。

ジュラ紀

http://marchan-forest.blogspot.jp/

中生代 白亜紀

被子植物が出現した。被子植物では子房が作られ、果実を形成する。果実は動物によって食べられて運ばれていき、分布を広げていった。最後の被子植物としてアルカエフルクトゥスの化石が見つかっている。

アルケオフルクトゥス

http://www.uraken.net/

霊長類の進化

霊長類の進化

6500万年前、食虫類から霊長類が出現した。霊長類は、樹上生活し、目が全面にあることによって立体視ができるようになった。指の爪が平爪となり、親指が小型化して拇指対向性を得た。枝をしっかりと掴むことができ、樹上生活に適することができた。

拇指対向性
親指母指)が、他の指と対向する性質でものをつかめる霊長類見られる

食虫類から類人猿までの進化


食虫類ツパイ

 
原猿類 キツネザル


真猿類 ニホンザル

類人猿 ゴリラ


類人猿 オラウータン


類人猿 ボノボ


類人猿 チンパンジー

 

ヒトの進化

ヒトは直立2足歩行が特徴である。また、眼窩上突起が退化しており、手が発達している。ミトコンドリアDNAの解析から、20万年前にアフリカで誕生したホモサピエンスが人類の起源となったと考えられている。

700万年前 サヘラントロプス
http://www.youtube.com/watch?v=LtzO4sWaDeQ


580~440万年前 ラミダス猿人


420万年前 アウストラロピテクス


200万年前 ホモ・エレクトス

 http://www.youtube.com/watch?v=F3Eb3-5H3xI


80万年前 ネアンデルタール人(ホモサピエンスとは別の人類・絶滅)

 http://www.youtube.com/watch?v=Q90yDkWHLTo

ホモサピエンスとも交配していたらしいので、私達の1%はネアンデルタール人由来のものがあるらしい。

 
20万年前 ホモ・サピエンス


現代人

生物の変遷まとめ-多細胞生物~ほ乳類-

多細胞生物の出現

15億年前に多細胞生物が出現した。

エディアカラ生物群

先カンブリア時代末期に出現した多細胞生物群をエディアカラ生物群と呼ぶ。特徴として扁平であり、体が柔らかい。しかし、地球の大規模な変化により絶滅した。

バージェス動物群

カンブリア紀に出現した多種多様な無脊椎動物。突如生物種が増えたことからカンブリア爆発と呼ばれる。硬い組織や触手が特徴的である。

無顎類

カンブリア紀の中頃に最初の脊椎動物である無顎類が出現した。下画像は現代の無顎類であるヤツメウナギである。

陸上植物

古生代のオルドビス紀からシルル紀に海面が低下し湿地が形成され、陸上植物が出現した。その後、乾燥した環境に適応して維管束が発達したシダ植物裸子植物が出現した。乾燥から配偶子を保護する造卵器造精器の発達や、花粉管による受精も現れた。

脊椎動物の上陸

硬骨魚類が、両生類へと進化し陸上へと進出した。両生類爬虫類へと進化した。ひれが四肢へと進化し、浮袋へと進化した。中生代には恐竜類に進化した。甲殻類昆虫類に進化し、陸上進出した。進化が進むほど、発生段階における乾燥への適応がなされ、水中の卵生から硬い殻を持つ卵となり、胚膜胎盤の形成へと発展していった。

ほ乳類の出現~霊長類へ

ほ乳類は中生代に両生類から進化した。恐竜絶滅後には多様に分化し、霊長類の起源となる食虫類が出現した。下動画は現在の食虫類であるツパイである。

生物の誕生-原核細胞~真核細胞-

始原生物

嫌気性細菌化学合成細菌が始まりであったとされている。35億年前の地層からは微生物の化石が発見された。

saikonokaseki

シアノバクテリア

27~25億年前の地層からはシアノバクテリアの働きによって形成されたストロマトライトが発見された。

真核生物

19億年前の地層からは、真核生物の化石が発見された。真核細胞は大きいのが特徴である。

共生説

原核生物が共生を果たし、ミトコンドリア、葉緑体になったと考えられている。その証拠として、ミトコンドリア・葉緑体はそれぞれDNAを持っている。

共生

生命の誕生-化学進化-

原始地球

原始地球の大気成分は、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水蒸気などであった。気候は激しい雨が降っており、地殻変動が起こり、海洋が形成され始めていた。太陽からの強い紫外線、宇宙線が地表に降り注いでいた。

化学進化

無機物が有機物へと変化していく過程を化学進化と呼ぶ。ミラーの実験では、原始大気を再現した中で放電を繰り返すとアミノ酸などの有機物が生成されることが証明された。

熱水噴出孔

高温の熱水を吹き出す穴を熱水噴出孔と呼ぶ。現在でも海底に存在している。熱水噴出孔付近では、メタン、アンモニア、水素、硫化水素などの濃度が高く、化学進化が進んだと推測されている。

コアセルベート

コアセルベートとは液状の粒子であり、これが生命の始まりであるとオパーリンが主張した。

コアセルベート

始原生物の進化

生命の始まりはRNAであったと考えられており、RNAは遺伝子としてだけではなく、様々な機能や触媒作用を持っていたとされている。この考えをRNAワールドと呼ぶ。現在ではtRNAやrRNAなど様々な機能を担っている。その後、様々な触媒作用はタンパク質が行うようになり、遺伝情報もRNAではなく、安定しているDNAに変化していったと考えらている。この考えをDNAワールドと呼ぶ。

ひとつの仮説は、両者の情報をつないでいるRNAが主役を務めていた、というものだ。DNAの遺伝暗号情報は、いったんRNAに写し取られる。そのRNA
をもとにタンパク質が作られる。細胞内では、細胞核に鎮座しているDNAの情報を読み取ったRNAが細胞核から細胞質へ流れ出てきて、そこでタンパク合成
が行われる。つまりこの場合、RNAはメッセンジャーの役割をしている。RNAにはメッセンジャーとしての伝令役以上のものはないと思われた。ところがで
ある。DNAは二重らせん構造をしているが、RNAは一本の鎖でそれが折りたたまれて特別な立体構造をとりうる。これはタンパク質がアミノ酸が連続してで
きた鎖で、それが折りたたまれて特別な立体構造をとることに似ている。タンパク質はその構造体が酵素となって触媒機能を果たしたり、筋肉の機械的な運動を
生み出したり、細胞内の骨格をつくったりする。

1980年代初め、RNAを研究していたチェック博士は、ある種のRNAも、立体構造のとり方次第ではタンパク質に似た触媒機能があることを見つけた。こ
れは実に大発見だった。酵素のような触媒となるのはタンパク質だけだと考えられていたからである。RNAにもメッセンジャー以上の機能があるのなら、それ
はすごいことである。つまり生命の初期段階では、RNAが情報を担い、同時に酵素機能をも担うような一人二役だった。その後、情報の保全にはより安定した
DNAが生み出され、酵素のような細胞機能にはタンパク質が作られた。RNAからDNAを作り出すことは実際上、可能である。RNAからタンパク質を作り
出すことは、そう簡単なことではないが、もしRNAが先にあったとするなら、タンパク合成のための仕組みを発達させることは全く不可能なことではないだろ
う。現在も、RNAからタンパク質を作るためには、資材としてのアミノ酸とそのアミノ酸を運び、RNAの情報と照合する仕組みを細胞はもっているが、そこ
でもRNAが使われている。だからRNAさえあれば、生命は出発することができたのだ。

http://www.sotokoto.net/jp/essay/?id=30

進化の証拠

化石に見られる証拠

示準化石と示相化石や、連続的な変化を示す化石中間形化石などが進化の証拠となっている。

示準化石と示相化石

示準化石とは、地層が形成された時代を決める際に基準となる化石である。それぞれの時代にしか存在しなかった生物が示準化石となる。三葉虫は古生代に出現した生物であり、アンモナイトは中生代の生物である。

示相化石とは、その時代の環境を示す化石である。サンゴの化石が発掘されれば温暖な浅いであったことがわかる。

連続的な変化を示す化石

ウマの化石を見てみると、足の蹄が徐々に形成されていったのがわかる。馬は4本指のうち中指が発達して蹄となった。

中間形化石

爬虫類と鳥の中間として始祖鳥が発見された。また、メドローサはシダ植物と裸子植物の中間であり、胞子ではなく種子を形成する。

現存する生物に見られる証拠

生きている化石、相同器官と相似器官、痕跡器官、発生の過程、地理的分布にみられる証拠、分子構造に見られる証拠が進化の証拠となっている。

生きている化石

大昔の生きものの特徴を持つ生物が生存している。シーラカンス、カブトガニ、イチョウ、メタセコイアなどが挙げられる。

相同器官と相似器官

形は異なるが起源が同じである器官を相同器官と呼ぶ。ヒトの手とコウモリの翼や、浮袋と両生類の肺、植物の葉とサボテンのトゲなどが例として挙げられる。

相似器官は起源は異なるが、形や機能が同じである器官を指す。昆虫の翅と鳥の翼、えんどうの巻きひげとキュウリの巻きひげなどが挙げられる。

痕跡器官

退化し殆ど機能は失っているが、痕跡として残っている器官が存在する。尾てい骨や耳動筋、クジラの後ろ足の骨、ヘビの足の骨などが挙げられる。

発生の過程に見られる証拠

発生の初期ではヒトも魚も類似している。このことから「個体発生は系統発生を繰り返す」という発生反復説をヘッケルが唱えた。

鳥類は発生の初期ではアンモニアを排出するが、しだいに尿素、尿酸へと変化していく。

地理的分布に見られる証拠

東アジアと北アメリカに共通の植物が存在していることから、共通の祖先があったのではないかと推測できる。

分子構造に見られる証拠

分子構造やDNAは近縁種であればあるほど類似している。

ヒトとチンパンジーのゲノムを比較すると98%以上が相同で、ほとんど差がない。

では残りの2%足らずの情報の中に、ヒトを特徴づける特別な遺伝子があり、その有無がヒトをチンパンジーとは異なる独自の生物にしているのだろうか。

私の言いたいことはこうである。仮に遺伝子操作によって、チンパンジーのA’遺伝子をヒトのA遺伝子にすげかえても、(そしてこの操作をくまなく繰り返して、DNA文字列上の2%の差をすべて書き換えたとしても)チンパンジーはヒトにはならない。

ではいったい何がヒトをヒトたらしめるのだろうか。それはおそらく遺伝子のスイッチがオン・オフされるタイミングの差ではないか。

http://www.sotokoto.net/jp/essay/?id=44